育成就労の外部監査人になれる資格者は?行政書士・社労士・弁護士を比較

育成就労制度では、監理支援機関に外部監査人を設置することが義務付けられています。
では、外部監査人にはどのような資格者がなれるのでしょうか?
結論からいうと、代表的なのは、
行政書士
社会保険労務士
弁護士
の3つです(いずれも個人だけでなく、行政書士法人・社会保険労務士法人・弁護士法人といった法人形態も対象となります)。
ただし、資格を持っているだけで自動的に外部監査人になれるわけではありません。
外部監査人になるための基本要件
出入国在留管理庁のQ&Aによると、外部監査人には主に次の5つの要件があります。
① 外部監査人に必要な養成講習を受講していること
外部監査人は、主務大臣(法務大臣・厚生労働大臣)が告示で定める講習を受講している必要があります。
また、過去3年以内に講習を修了していることが必要です。
つまり、
「行政書士だから外部監査人になれる」
というわけではなく、
資格+養成講習
が基本となります。
② 外部監査を適切に行える知識・能力があること
外部監査人には、育成就労制度について適切に監査できる知識・能力が求められます。
そのため、弁護士・社会保険労務士・行政書士のほか、「その他育成就労の知見を有する者」も対象とされています。
③ 監理支援機関と「密接な関係」がないこと
外部監査人には、監理支援機関から独立した立場で監査することが求められます。
例えば、監理支援機関の役職員などは外部監査人になることができません。
また、監理支援機関が監理支援を行っている育成就労実施者との関係についても、外部監査の公正性を害するような密接な関係がある場合は認められません。
④ 外部性が担保されていること
監理支援機関の内部関係者ではなく、あくまで外部の第三者としての立場であることが求められます。
⑤ 欠格事由に該当しないこと
法令で定める欠格事由(一定の処分歴や違反歴があるなど)に該当しないことも要件の一つです。
行政書士・社労士・弁護士の違い
では、行政書士・社会保険労務士・弁護士では、どの資格者が外部監査に向いているのでしょうか?
法律上、「この資格者のほうが優れている」という順位が付けられているわけではありません。
それぞれ得意分野が異なります。
資格 | 得意分野 |
|---|---|
行政書士 | 入管手続・在留資格・外国人関係手続 |
社会保険労務士 | 労働法・社会保険・給与・労務管理 |
弁護士 | 法律全般・紛争・法的リスク |
行政書士
行政書士は、外国人の在留資格や入管手続に詳しいという点が大きな強みです。
育成就労では、在留資格や育成就労計画、外国人の受入れに関する手続など、入管分野の知識が重要になります。
そのため、外国人関連業務を専門としている行政書士は、外部監査との相性が良いといえます。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労働関係法令や社会保険、給与・労務管理に強い専門家です。
育成就労の監査では、労働条件や賃金、労働時間、社会保険などの確認も重要になるため、社労士の専門性が活かされます。
弁護士
弁護士は、法律全般について幅広い専門知識を持つことが大きな強みです。
特に、法令違反やトラブルが発生した場合の法的リスクについて、専門的な判断が期待できます。
料金相場の比較
外部監査人への依頼を検討する際、多くの監理支援機関が気になるのが料金相場ではないでしょうか。
当事務所で調べた限りでは、おおよそ次のような相場感となっています。
依頼先 | 年間の料金相場(目安) |
|---|---|
行政書士・社労士 | 約30万〜35万円前後 |
弁護士 | 約50万円前後 |
※あくまで当事務所調べの目安であり、事務所や監理支援機関の事業所数・規模等によって変動します。
ただし、この料金差をそのまま「安いから行政書士・社労士」「高いから弁護士」と単純に比較するのは注意が必要です。
というのも、外部監査人としてのサービス内容は事務所によって大きく異なるためです。例えば、
外部監査業務のみを提供している事務所
外部監査に加えて、日常的な法務相談ができる顧問契約がセットになっている事務所
育成就労・技能実習・特定技能に関する実務経験や相談対応の手厚さが異なる事務所
など、料金だけを見ても提供されるサービスの中身は一様ではありません。
そのため、外部監査人を選ぶ際には、料金の高低だけで判断せず、サービス内容(顧問契約の有無や相談対応の範囲など)や実務経験の有無も含めて総合的に検討することが重要です。
では、どの資格者に依頼すればいい?
ここが重要です。
外部監査人を選ぶときは、資格だけで判断する必要はありません。
実際には、
育成就労制度についてどの程度の知識があるか
技能実習・特定技能・入管業務の経験があるか
労働関係法令についてどの程度の知識があるか
外部監査の実務経験があるか
監理支援機関の業務を理解しているか
料金だけでなく、サービス内容(顧問契約の有無など)が自社のニーズに合っているか
といった点を確認することが重要です。
まとめ
育成就労の外部監査人として代表的なのは、
行政書士・社会保険労務士・弁護士
です。
ただし、共通して必要なのは、
① 必要な資格・知見 ② 外部監査人の養成講習 ③ 監理支援機関等からの独立性 ④ 外部性の担保 ⑤ 欠格事由に該当しないこと
です。
また、行政書士は「入管・外国人手続」、社労士は「労務・労働法」、弁護士は「法律全般」と、それぞれ専門分野に違いがあります。
料金相場は、行政書士・社労士で年間約30万〜35万円前後、弁護士で年間約50万円前後が目安ですが、サービス内容は事務所によって異なります。
外部監査人を選ぶ際には、資格や料金だけでなく、育成就労・技能実習・特定技能・入管・労務などの実務経験、そしてサービス内容も含めて総合的に判断することが重要です。
体制を見直すことをおすすめします。
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