2026.09.06

外部監査人の独立性とは?監理支援機関との関係を解説

外部監査人の独立性とは?監理支援機関との関係を解説

育成就労制度では、監理支援機関に外部監査人を置くことが求められています。

では、なぜ「外部」なのでしょうか?

また、監理支援機関と顧問契約をしている行政書士や社労士などは、外部監査人になれるのでしょうか?

この記事では、外部監査人に求められる「独立性」について、できるだけ簡単に解説します。

外部監査人の「独立性」とは?

簡単にいうと、

監理支援機関や育成就労実施者との関係が強く、外部監査の公正性が損なわれるおそれがある人は、外部監査人になれない

ということです。

外部監査人は、監理支援機関が適切に監理支援業務を行っているかを、外部の立場からチェックする役割を担います。

そのため、

「監理支援機関の言うことをそのまま確認する人」ではなく、必要な場合には問題点を指摘できる立場

であることが重要です。


「監理支援機関と顧問契約している士業」は外部監査人になれる?

ここは、非常に誤解されやすいポイントです。

例えば、

弁護士が監理支援機関と顧問契約を結んでいる

というだけで、その行政書士が外部監査人になれないわけではありません。

OTITのQ&Aでは、監理支援機関と顧問契約を結んでいる弁護士・社会保険労務士・行政書士について、要件を満たし、欠格事由に該当しなければ、外部監査人になることができるとされています。

つまり、

「監理支援機関の顧問=外部監査人になれない」ではありません。

では、具体的にどのような場合がNGなのでしょうか?


外部監査人になれない代表的なケース

代表的なケースを整理すると、次のとおりです。

① 監理支援機関の役職員である場合

その監理支援機関の現役の役員・職員、および原則として過去5年以内に役員・職員だった者は、外部監査人になることができません。

そのため、顧問という立場に加えて、理事などの役員を兼ねている場合も注意が必要です。

② 監理支援機関が監理支援している「育成就労実施者」の顧問である場合

ここが、実務上もっとも重要なポイントです。

例えば、

A協同組合(監理支援機関)
↓
B株式会社(育成就労実施者)

という関係があるとします。

この場合、

  • 行政書士XがA協同組合の顧問
     → 要件を満たせば、A協同組合の外部監査人になれる

  • 行政書士XがB株式会社の顧問
     → A協同組合の外部監査人にはなれない

という整理になります。

つまり、

「監理支援機関の顧問はOK、監理支援機関が支援する受入れ企業の顧問はNG」

という対比を押さえておくと、分かりやすいでしょう。

なお、監理支援機関の構成員であっても、その構成員が実際に監理支援を受ける育成就労実施者でなければ、その構成員の顧問行政書士等が外部監査人になれる場合があります。

③ 育成就労実施者の役職員や、その近親者である場合

監理支援を受ける育成就労実施者の現役・一定期間内の役職員や、その配偶者・二親等以内の親族なども、外部監査人になれない場合があります。

④ その他、外部監査の公正性を害するような密接な関係がある場合

法令には、

「社会生活において密接な関係を有する者であって、外部監査の公正が害されるおそれがあると認められるもの」

を排除する包括的な規定もあります。

公式資料では、その代表例として、監理支援機関から定期または臨時に会費の支払いを受けている法人などが挙げられています。

ただし、これは「監理支援機関から継続的に報酬を受け取っていれば一律NG」という意味ではありません。

個々の関係や事情を踏まえて、外部監査の公正性が害されるおそれがあるかを判断する必要があります。


なぜ外部監査人に「独立性」が必要なのか?

監理支援機関は、育成就労実施者に対して監理支援を行います。

しかし、監理支援機関自身が適切に業務を行っているかについても、チェックする必要があります。

そこで、

監理支援機関
↓
育成就労実施者を監理・支援

という関係に加えて、

外部監査人
↓
監理支援機関の業務を外部からチェック

という仕組みが設けられています。

外部監査人が監理支援機関や育成就労実施者と過度に近い関係にあると、問題があっても指摘しにくくなる可能性があります。

そのため、外部監査人には公正な立場から監査できることが求められています。


まとめ

外部監査人の「独立性」とは、簡単にいえば、

監理支援機関や育成就労実施者との関係が強すぎて、公正な監査ができなくなる状態を避けること

です。

特に注意したいのは、

  • 監理支援機関の現役・過去5年以内の役職員はNG

  • 監理支援機関が監理支援している育成就労実施者との関係にも注意

  • 育成就労実施者と顧問契約を結んでいる士業は外部監査人になれない

  • 監理支援機関との顧問契約だけで直ちにNGになるわけではない

  • その他、外部監査の公正性を害するような密接な関係がある場合もNGとなる可能性がある

という点です。

外部監査人を選任する際には、資格だけでなく「独立した立場で公正な監査ができるか」まで確認することが重要です。


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