2026.09.11

日本語教員試験の概要と対策を自分なりに調べてみました

日本語教員試験の概要と対策を自分なりに調べてみました

こんにちは。OIL行政書士事務所です。

先日のコラムで、「日本語教員試験に挑戦します」という記事を書きました。

これまで日本語教育についてほとんど勉強したことがない行政書士が、なぜ日本語教員試験を受けようと思ったのか。そして、外国人雇用や育成就労制度に関わる行政書士として、これから日本語教育についても学んでいきたい、という思いについて書きました。

今回はその続きとして、試験の仕組みや過去の合格率、出題範囲を調べて分かったことと、現時点で考えている勉強方法をまとめます。

この記事で分かること

  • 日本語教員試験は始まってまだ2回、過去問の蓄積が少ない新しい試験であること

  • 令和6年度と令和7年度で合格率が大きく変わったこと

  • 基礎試験の5区分のうち、どこを重点的に勉強すべきか

日本語教員試験について調べてみたところ、率直な感想は

「思っていた以上に難しそうだな……」

でした。一方で、試験の仕組みを調べていくと、「ここは重点的に勉強したほうがよさそうだ」「逆に、ここを完全に捨てるのは危険だな」ということも少しずつ見えてきました。

日本語教員試験は、まだ始まったばかり

日本語教員試験は、2024年4月に始まった登録日本語教員制度に基づく国家試験です。

第1回は令和6年度(2024年度)、第2回は令和7年度(2025年度)に実施されました。私が受験する令和8年度(2026年度)は第3回にあたります。

つまり、現時点ではまだ2回しか実施されていない、かなり新しい試験です。

文部科学省から出題範囲やサンプル問題は公開されているものの、一般的な資格試験のように何年分もの過去問を分析して傾向をつかむ、という勉強法が取りにくいのが実情です。初学者の私にとっては、ここがなかなか難しいところです。

第1回と第2回で合格率が大きく違う

過去2回の試験結果を比較すると、次のようになります。

令和6年度

令和7年度

全試験受験者

3,947人

3,796人

全試験受験者の合格率

9.3%

35.7%

試験ルート受験者

3,681人

3,538人

試験ルートの合格率

8.7%

35.9%

※文部科学省公表資料(合格者数・合格率)より算出。

特に注目したのは、試験ルートの合格率が8.7%から35.9%まで、4倍以上に上昇していることです。単純化すると、令和6年度は「10人受けて1人弱」、令和7年度は「10人受けて3〜4人程度」が合格する計算になります。

なぜ合格率がこれほど変わったのか?

文部科学省が理由を明確に説明しているわけではないため、ここからは私なりの推測です。

考えられる理由は、主に次の2つです。

  • 受験者側に情報が蓄積されたこと:第1回では、必要な知識量や出題形式、難易度についての情報がほとんどありませんでした。第2回になると、第1回受験者の経験や対策教材・講座が整ってきた可能性があります。

  • 試験側の難易度調整:試験案内には、年度ごとの難易度差によって合格基準を調整することがあると明記されています。

ただし、受験者層の変化など他の要因も考えられるため、「令和6年度は難しく、令和7年度は簡単になった」と単純に結論づけるのは適切ではないと思います。少なくとも、過去2回だけで試験の難易度や合格率の傾向を判断するのは難しいというのが現時点での実感です。第3回、第4回と積み重なっていく中で、少しずつ傾向が見えてくるのではないでしょうか。

私は「試験ルート」で挑戦します

登録日本語教員になるルートには、現在試験ルートと養成機関ルートがあります。

養成機関ルートは、登録日本語教員養成機関で養成課程を修了することで基礎試験が免除され、応用試験と実践研修を経て登録日本語教員を目指すルートです。

一方、私が挑戦するのは試験ルート(基礎試験 → 応用試験 → 実践研修)です。日本語教育を体系的に学んだ経験がないため、基礎試験から自力で勉強していく必要があり、正直なかなか大変そうです。

基礎試験と応用試験の構成

令和8年度の試験は、次のような構成です。

基礎試験:100問/120分/選択式/100点満点

応用試験:読解60問(100分)+聴解50問(約50分)、合計110問・110点満点、選択式

合格基準もかなり特徴的です。

  • 基礎試験:5つの区分それぞれで6割程度、かつ全体で8割程度の得点が必要

  • 応用試験:全体で6割程度が基準

(いずれも年度ごとの難易度差により調整される場合があります)

ここから一つ重要なことが分かります。基礎試験は、単純に「全体で8割取ればいい」という試験ではないということです。

基礎試験の5つの区分と出題割合

基礎試験は、次の5区分から出題されます(文部科学省公表のおおよその出題割合)。

区分

出題割合

社会・文化・地域

約1〜2割

言語と社会

約1割

言語と心理

約1割

言語と教育

約3〜4割

言語

約3割

「言語と教育」と「言語」の2分野だけで、約6〜7割を占めています。限られた時間で勉強するなら、まずこの2分野を重点的に勉強するのが合理的だと考えました。

ただし、残りの3分野を捨てるのは危険

とはいえ、「言語と教育」と「言語」だけ勉強すればいいわけではありません。前述の通り、基礎試験には5区分それぞれで6割程度という基準があるため、全体で8割取れていても、特定の区分で大きく失点すると不合格になる可能性があります。

そこで、今のところ次の方針で進めようと考えています。

  • 言語と教育・言語 → 得点源にする(重点的に勉強する)

  • 社会・文化・地域/言語と社会/言語と心理 → 足切りを避ける(捨てずに一定水準を確保する)

実際に勉強を始めてみると、この作戦がうまくいかない可能性もあるので、そのあたりは調整しながら進めたいと思います。

調べてみて分かったこと

今回、試験の仕組みを調べて感じたのは、「ただ暗記すれば合格できる試験ではなさそうだ」ということです。

特に応用試験では、基礎知識を単純に問うだけでなく、教育実践と関連させた問題によって問題解決能力や現場対応能力を測ることが予定されています。聴解問題では、実際の日本語学習者の発話や、教室での教師とのやり取りを用いた問題も出題されます。

行政書士試験とはかなり違ったタイプの試験だと感じます。行政書士試験は、法律や制度の知識を覚え、それを問題に当てはめることが中心でした。一方、日本語教員試験では、

  • 「なぜこのような日本語になるのか」

  • 「日本語を学ぶ人に、どう教えるのか」

  • 「この場面で教師としてどう対応するのか」

といったことまで考える必要があり、いろいろな人の立場で物事を捉える能力が試される試験であると感じました。

まだまだ分からないことだらけですが……

試験の仕組みはだいたい分かってきましたが、肝心の中身についてはまだまだ分からないことだらけです。

特に私は日本語教育の知識がほぼない状態からのスタートです。

音韻論? 第二言語習得…? 中間言語……?

……という感じで、知らない言葉が次々と出てきます。

それでも、一つずつ根気よく調べていけば、少しずつ分かるようになるはずです。

今回の記事は、私自身が勉強を始めるにあたって「日本語教員試験って、そもそもどんな試験なんだろう?」というところから調べた内容を、自分なりに整理してみました。

これから毎日コツコツと

試験日は令和8年11月8日。この記事を書いている時点で、試験まであと約2か月です。

行政書士の仕事をしながらの受験勉強になるので、毎日まとまった時間を確保するのはなかなか難しいところです。それでも、1日30分でも、1時間でも、毎日少しずつ勉強することを意識して、試験まで続けていきたいと思います。

今回の受験で絶対に合格できるとは思っていません。ただ、外国人雇用を支援する行政書士として、日本語教育について学ぶこと自体に意味があると思っています。合格できればもちろん嬉しいですが、仮に今回合格できなかったとしても、勉強した知識は今後の仕事の中できっと役に立つはずです。

これからも、「これは面白いな」「これは難しい……」「この問題、全然分からない!」といったことも含めて、またこちらのコラムでご紹介していきたいと思います。


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