2026.08.18
育成就労の外部監査人になるには?資格・要件を解説

2027年4月1日から始まる育成就労制度では、監理支援機関に外部監査人を置くことが許可基準の一つとして定められています。
では、外部監査人になるには、どのような資格や要件が必要なのでしょうか。
この記事では、出入国在留管理庁が公表している資料をもとに、外部監査人になるための主な要件を簡潔に解説します。
※本記事は2026年8月時点の公表資料に基づいています。今後の法令・運用変更等により内容が変更される場合があります。
外部監査人になるための主な要件
外部監査人になるためには、主に次の要件を満たす必要があります。
弁護士・社会保険労務士・行政書士等の資格・知見があること
外部監査人に係る養成講習を受講していること
監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者と、法令上の「密接な関係」がないこと
監理支援機関そのものから見て、外部・中立の立場が確保されていること
法令上の欠格事由に該当しないこと
それぞれ簡単に見ていきます。
① 資格・知見
外部監査人になることができる者として、弁護士、社会保険労務士、行政書士、その他育成就労に関する知見を有する者が挙げられています。
また、弁護士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人も対象となります。
つまり、行政書士も外部監査人になることができます。
ただし、行政書士などの資格を持っているだけで、自動的に外部監査人になれるわけではありません。
② 養成講習の受講
外部監査人になるためには、外部監査人に係る養成講習を受講していることが必要です。
そのため、
行政書士資格を持っている + 養成講習を受講している
というように、資格・知見だけでなく、養成講習の要件も確認する必要があります。
③ 独立性(受入企業との関係)
外部監査人には、監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者(受入企業)と、密接な関係を有していないことが求められます。
具体的には、受入企業の役職員や、一定の関係にある親族などとの関係が問題となる場合があります。この点については細かなルールが定められているため、候補者を選ぶ際には個別の確認が必要です。
④ 外部性・中立性(監理支援機関そのものとの関係)
③が「受入企業との関係」であるのに対し、こちらは「監理支援機関そのものとの関係」です。
外部監査人は、監理支援機関の内部関係者ではなく、外部から客観的に監査できる立場である必要があります。監理支援機関の役職員が名目だけ外部監査人を兼ねる、といった運用は認められません。
⑤ 欠格事由
法令上の欠格事由に該当する場合は、外部監査人になることができません。
実際に外部監査人を選任する際には、資格や養成講習だけでなく、欠格事由にも該当しないか確認する必要があります。
外部監査人選任までの一般的なイメージ
外部監査人として活動するまでの流れを、イメージとして整理すると次のようになります。
※以下は法令上定められた手続き順序ではなく、一般的な流れの目安です。実際の手続きは監理支援機関ごとに異なる場合があります。
① 資格・知見等の要件を確認
↓
② 独立性・欠格事由を確認
↓
③ 外部監査人に係る養成講習を受講
↓
④ 外部監査人として選任
↓
⑤ 外部監査業務を開始
行政書士も外部監査人になれる
行政書士は、育成就労制度における外部監査人になることができる資格者の一つです。
ただし、「行政書士だから外部監査人になれる」というわけではありません。
養成講習の受講や独立性など、その他の要件も満たす必要があります。
また、実務上は、育成就労制度そのものだけでなく、入管法令や労働関係法令についての知識・経験があることが望ましいと考えられます。
外部監査人を選ぶ際には、資格の有無だけでなく、外国人雇用や育成就労制度についての知識・経験も確認することが重要です。
まとめ
育成就労の外部監査人になるためには、単に行政書士・社会保険労務士・弁護士などの資格を持っているだけでは足りません。
主なポイントは、
① 資格・育成就労に関する知見
② 外部監査人に係る養成講習
③ 独立性(受入企業との関係)
④ 外部性・中立性(監理支援機関との関係)
⑤ 欠格事由に該当しないこと
です。
特に、監理支援機関や育成就労実施者との関係については細かなルールがあるため、外部監査人を選任する際には注意が必要です。
外部監査人の具体的な独立性の要件については、別の記事で詳しく解説しています。
OIL行政書士事務所
OIL行政書士事務所では、育成就労制度における外部監査人として、監理支援機関の外部監査をサポートしています。
